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世界初の電球形蛍光ランプ
「ネオボール™」(ボール形)

どこまで小さくできるかが、大きなポイントであったが、
最終的に直径110mmのボール形状に収めることができた。

世界初の電球形蛍光ランプ「ネオボール™」(ボール形)の画像

1890(明治23)年、日本で初めて一般白熱電球を実用化して以来、夜も明るくなり生活環境は大きく改善された。1940(昭和15)年には新しい光源の蛍光灯が日本で初めて生産され、発光効率が約5倍となり、寿命も約5倍と長いことが好評であった。

蛍光灯は、省エネルギーで長寿命ではあるがその形は直管形か環(サークル)形であり、その大きさから白熱灯のソケットに直接取り付けることができなかった。そのため、これまで白熱灯が設備されている箇所は、節電ができないままであった。また、白熱灯は寿命が短く取り換える頻度が多くて不便でもあった。

1973(昭和48)年、第1次オイルショックが起こり社会生活に大きな影響を与えた。このような状況下で、照明関係者とりわけ技術者はこの発光効率のよい蛍光灯を電球形状にできないかと日夜模索した。形状の大きな蛍光ランプに電球口金をつけた蛍光ランプも開発されたが、市場では評価されなかった。

やはり、電球の形に近い蛍光ランプを開発すべきであった。実は、早い段階から『蛍光灯を小さく曲げて点灯装置と一体化すれば電球のようにソケットで使える“電球形蛍光灯”ができるのではないか?』というアイデアはあった。しかし、試作に取り掛かるまでの決断には時間がかかったのである。

1978(昭和53)年になると、ガラスの成形技術や蛍光体などの諸材料の進歩もあって、ようやくその可能性を見極めるために、試作に踏み切った。試しに、細い棒状の蛍光灯を曲げて安定器(点灯装置)を組み込み、ボールをイメージしたプラスチックのカバーに入れてみると、ランプと安定器から出る熱で温度が非常に高くなってしまい、これでは商品化できない。

そこで、プラスチックカバーの上下に小穴を無数に開けると、どうにか実用に耐えることがわかった。しかし、そのためにガラスグローブは採用できず、ポリカーボネート樹脂で製作せざるを得なかった。

さらに、管径、ガス圧、電極など諸要因から改良を加えて発光効率、始動特性、動程寿命などのランプ特性の最適化を図った。どこまで小さくできるかが、大きなポイントであったが、最終的に直径110mmのボール形状に収めることができた。

そして1980(昭和55)年7月、世界初の電球形蛍光灯「ネオボール™」(ボール形)を発売することができた。価格が高いという課題はあったが大好評であった。しかし、市場性を高めて普及を拡大するには、通気孔からの虫やほこりの侵入を防ぐためにグローブを密閉化し、外観も一新させる必要があった。実験を進めた結果たどり着いたのが、電極近くにインジウムという物質を蒸着しておくことであった。この技術の採用によって熱の発生が少なくなり、発光効率を高めることができた。これによって密閉化が可能となりガラスグローブの採用も実現できた。さらに点灯回路の電子化にも成功し、軽量でより明るい電子ネオボール™を業界に先駆けて、1984(昭和59)年に商品化した。

電球形蛍光ランプ「ネオボールTM」の構造図
電球形蛍光ランプ「ネオボール™」の構造図

2011年(一社)電気学会「でんきの礎」受賞
2011年(一社)電気学会「でんきの礎」受賞

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