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日本初の電気掃除機

走行車輪がついた国産第1号の電気掃除機の価格は110円。
大卒初任給の半年分に当たる高級家電。

日本初の電気掃除機

「ほうき」に代わる電気掃除機はゴミも小さな塵も一緒に清掃したいという考えから欧米で考案された。最も原始的な掃除機は1858(安政5)年に米国のへリックが考案したじゅうたん用掃除機で、その後、1899(明治32)年、米国ゼネラルコンプレスト・エア&バキューム社が空気ポンプを利用したアップライト型真空掃除機を発明した。これは高速回転させた電動送風機を内部の空気の遠心力で移動させ、大気圧より低圧にしてゴミや小さな塵を吸引するという基本原理で、現在とほとんど変わらない画期的な製品だった。日本に輸入されたのは大正初期だが、当時はごく一部の家庭でしか使用されなかった。

その後1931(昭和6)年、芝浦製作所(当社の前身)がGE社製をモデルに開発した日本初のアップライト型真空掃除機VC-A型を発売した。価格は110円で当時の大卒初任給の半年分に当たった。この掃除機の吸込用床ブラシとモーターが一体化した先端部には走行車輪がつき、軽く手で押すだけで掃除ができるよう工夫され、また掃除し易いように柄の角度も可変できる構造になっている。

モーターは100V直流および交流共用140Wが使用され、電気料は1日1時間使ったとしても1カ月45銭(当時10銭/kW)足らずとごく僅かだった。

柄は木製で床上、天井が掃除できる長さ89cmの柄がねじ込み式でモーターについている。家の鴨居やソファーの下などを掃除するには、クロームメッキ仕上げの75cmの金属パイプの延長管を使い、また掃除が困難な家具の隅や、引き出しの中など狭い場所の掃除用には付属のゴム製の細口管を使用する。ブラシは幅14cmの床および敷物用と幅22cmの衣服およびカーテン用の2種類がある。そして掃除機の性能を左右する収塵袋(現在は集塵袋)は埃を濾過させるフィルター効果と通気性を考慮し、布を縫い合わせた袋状になっており、袋の末端はゴミや塵が吹き出ないようアルミ金具で押さえた。

1937(昭和12)年の日華事変により生産は中断されたが、1947(昭和22)年にはVC-A型の走行車輪を取り除き、小型軽量化に改良したVC-C型をいち早く発売した。しかし電気掃除機の本格的普及は1955(昭和30)年以降となった。

国産化された掃除機は各企業の努力により家庭の必需品としての地位を固め、現在では単に部屋の汚れの清掃とその省力化だけでなく、私たちの健康に有害なダニやミクロレベルの塵埃まで除去できるまで進化し、頭脳を持った掃除ロボットまでも出現している。

改良モデルVC-C型
改良モデルVC-C型

真空掃除機カタログ
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