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日本初のプランジャー形保護リレー

プランジャー形保護リレーから誘導円板形保護リレーへ、
その後、高速度の誘導円筒形保護リレーに進化。

日本初のプランジャー形保護リレーの写真

送電線や変圧器で構成される電力系統で、落雷や設備不良などが原因で事故が発生し大電流が流れた場合、事故設備の損傷拡大を防止し、健全設備による電力の供給を継続するため、事故個所を遮断器により迅速に電力系統から切り離す必要がある。事故個所を検出して、この遮断器に素早く切り離しの指令を出すのが保護リレーである。1900(明治33)年に、米国でプランジャー形保護リレーが世界で初めて開発された。それまでの電力系統は、ヒューズまたは過電流引き外し機構付き遮断器で保護されていた。わが国では、芝浦製作所(当社の前身)が、1907(明治40)年に日本初のプランジャー形保護リレーを製作した。プランジャー形保護リレーは、可動鉄心(プランジャー)を電磁力により吸い上げて動作させる原理である。その後、誘導円板形リレーが米国で開発されたのは1914(大正3)年のことで、現在でも一般家庭の電力量計に使われているものと同じように、電流あるいは電圧入力で作られる電磁力により、円板を回転させる原理でリレーを動作させる。電圧や電流の入力に応じて、電力方向リレーや過電流リレーが構成される。誘導円板形リレーでは、プランジャー形に比べて、動作感度や動作時間の精度が著しく向上した。芝浦製作所では、1920(大正9)年にこの誘導円板形過電流リレーを国産化している。

その後の1929(昭和4)年には、米国で高速動作を目的としたバランスビーム形リレーが発表されている。バランスビーム形は、中央の支点で支えられ機械的に平衡した接触子をコイルによる電磁力で動作させる原理のもので、芝浦製作所でも1938(昭和13)年に同種のものを製作している。

バランスビーム形は、高速動作は可能であるが、動作値が不安定なところが欠点となる。これらを克服し、動作値が安定で高速動作が可能な保護リレーが誘導円筒形である。この誘導円筒形リレーは1937(昭和12)年に米国で開発され、2年後の1939(昭和14)年には芝浦製作所で製作されるようになった。まもなく第2次世界大戦が始まったこともあり、実用装置として広く使われるようになったのは、戦後になってからのことである。この誘導円筒形リレーは中央に置かれた円筒型の回転子の周りに鉄心とコイルで作られた4極の磁極があり、磁極で作られる回転磁束により回転子が動作するものである。

円筒型の回転子は中空で、慣性が小さく、また磁極と回転子が接する面が大きくとれるため、高速動作が可能となる。そのため、コイルへの入力として電圧や電流の組み合わせをいろいろ変えることにより、様々な保護リレー特性が作り出せる。戦後の保護リレーの発展は、当社による誘導円筒形のモー形距離リレー開発で始まったとも言える。プランジャー形保護リレー、誘導円板形保護リレーで培われた電磁機械形リレーの技術は、戦後になって誘導円筒形(カップ形)保護リレーとして飛躍的に進歩した。誘導円筒形では高速動作、高精度、高機能な保護リレーが実現でき、戦後の産業復興に必要であった電力の安定供給を陰から支えた。

誘導円板形保護リレー
誘導円板形保護リレー

誘導円筒形保護リレー
誘導円筒形保護リレー

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