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万年時計復活プロジェクト
万年時計の巧妙なメカニズムに、田中久重の"飽くなき探究心と熱い情熱"を見た!
万年時計の解体は、機械時計の熟練技術者らによって慎重に進められました。
万年時計は、洋式時計と、昼夜をそれぞれ六等分する当時の「不定時法」の時計が同時に時を刻みます。さらに干支や七曜、二十四節気、月の満ち欠けの表示機能は、いくつもの歯車を通して動かす構造になっています。歯車やゼンマイは、工作機械を使わず、すべて手づくりをした形跡・・・。 久重が創造力をはたらかせ、複数の機能や技術をひとつに融合させるべく探求した努力が見てとれました。
久重の万年時計に対するこだわりは、時計の構造や機能にとどまりません。外装部も、七宝(しっぽう)や彫金をはじめとする伝統工芸が施され、万年時計にかけた情熱が今なお伝わってくるのです。
- ※ 不定時法:
- 日の出から日没までを昼とし、日没から日の出までを夜として、それぞれを六等分して時を決める方法。
万年時計の概要
第一面: | 和時計の割駒式回転文字盤と二十四節表示の固定式文字盤 |
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第二面: | 二十四節の月日記入用文字盤 |
第三面: | 七曜表示の文字盤 |
第四面: | 十干十二支を示す文字盤 |
第五面: | 月の満ち欠けと日付の文字盤 |
第六面: | 洋式時刻表示(フランス製/スイス製ともいわれる) |
天頂面: | 正確な日本地図上で、太陽と月の動きを表示 |
サイズ: | 高さ約60cm・重さ約38kg・台幅64.5cm |
動力: | 真鍮製の二重ゼンマイ二組(運針用・時打用) |
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- 参考/「田中近江大椽」、「からくり儀右衛門―東芝創立者田中久重とその時代―」(ダイヤモンド社刊)
万年時計復活プロジェクト体制
国家プロジェクト「江戸のモノづくり」 文部科学省 特定領域研究
事務局 国立科学博物館・主任研究官 鈴木一義
プロジェクト長: | 東京大学先端科学技術研究センター・教授 橋本毅彦 |
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全体とりまとめ: | 国立科学博物館・主任研究官 鈴木一義 |
時計部担当: | セイコープレシジョン株式会社 土屋榮夫ほか |
外装部担当: | 東京文化財研究所・修復技術部長、東京芸術大学教授 加藤寛 京都の工芸職人(伝統工芸士・経師)の皆さんほか |
構造分析担当: | 東京文化財研究所・協力調整官(元保存科学部部長) 三浦定俊 |
材料分析担当: | 京都大学大学院エネルギー科学研究科助教授 冨井洋一 |
機構分析担当: | 株式会社 東芝 研究開発センター |
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- 敬称略
関連リンク
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