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三次元フラッシュメモリ「BiCS FLASH」

従来と同じサイズで大容量化を実現!

東芝が世界一を目指す半導体メモリ事業。次世代のメモリ大容量化技術として注目され、競争が激化している三次元フラッシュメモリBiCS FLASHについて、島田先生に教えてもらいました。

微細化の限界に挑戦してきたNAND型フラッシュメモリ

ニャンダロー:東芝はこれまでNAND型フラッシュメモリを半導体の主力製品にしてきましたよね。今年3 月に発表した三次元フラッシュメモリBiCS FLASH は、NAND 型フラッシュメモリとどう違うのかニャ? 先生、教えてください。

今回の先生 セミコンダクター&ストレージ社 メモリ応用技術第二部 島田俊樹さん

島田先生:BiCS FLASHというのは、これまでのフラッシュメモリと違ってビット(セル)をどんどん上に積み重ねていくものなんだ。これまで、NAND型フラッシュメモリはメモリチップの中のセル1つひとつの間隔を狭くする「微細化」によるセル面積の縮小と、1つのセルの中に多数の情報を入れる「多値化」という技術を進めてきたんだ。

ニャンダロー:同じ土地面積の中に、どれだけ多くの人が住む部屋を作れるかって話みたいだニャ。

島田先生:いい例えだね。「微細化」は、部屋を小さくして、同じ土地面積の中でできるだけ多くの部屋(セル)を作って、多くの住人(情報)を入れようとしてきた。ただ、部屋が小さくなると隣の人との距離が近くなってしまって隣の部屋の騒音が聞こえたり、時には部屋が小さくなり過ぎて、我慢できずに中の人が外に出てしまったりという、危険も出てくる。メモリチップの中も同じで、部屋を小さくし過ぎると、情報となる電子同士が干渉してエラーが起こってしまうんだ。

ニャンダロー:部屋を小さくして増やすのには限度があるということですね。

BiCS FLASHは「積層化」で容量・速度・信頼性をアップ

島田先生:そこで、極限にきているとされる微細化に代わる大容量化技術として検討されたのが「積層化」だよ。同じ土地面積の上に、多階層のマンションを建てる発想だね(図1)。もちろんNAND型フラッシュメモリで培ってきた「多値化」の技術も同時に導入しているよ。

ニャンダロー:それだったら、部屋の単価も安くなりそうですね。

島田先生:層をいくつも作ることで、同じ底面積のパッケージでもセルの数が増えて、より多くの情報が入るようになったんだ。さらに、建物を多階層にするので、頑丈な柱は必要だよね。部屋を縦に積んだ分、横には広い部屋が作れるようになるから、騒音や狭すぎて人が出て行ったりする危険性も少なくなったというわけだ。つまり、セルの中で、大きな動きがあっても隣のセルの干渉を受けることがなくなり、データの高速処理が可能になって、信頼性まで向上したんだよ。東芝では世界最多の48層のチップを作ることができるんだ。今はもっと積層を増やそうと頑張っているところだよ。

ニャンダロー:この厚さで48階建てニャんて!1枚1枚はとっても薄そうだし、ずれないように積み重ねるのは大変そうですね。

島田先生:大変なのは、ずれないように層を重ねた後、均一に穴を開けるところ。穴はシリコンを流し込んで電極層にするんだ。これまでの半導体工程ではなかった工程だから、新たな挑戦だね(図2)。

ニャンダロー:BiCS FLASHは、1つのメモリチップの中で縦にも横にもメモリが配置されて、セルに情報を入れているんですね。新たな技術の陰には先生たちの挑戦がたくさん詰まっているんだニャ。

図1 BiCS FLASHとNAND型フラッシュメモリの仕組み
図2 BiCS FLASH製造の鍵は穴あけ&埋め込み加工

同じ電力でより多くのデータの記録が可能に

島田先生:今回のBiCS FLASHでは書き込みのためのステップ数を減らしているんだ。メモリチップが書き込みをする時に電力を消費するから、書き込む時のステップ数を減らすことができれば、同じ情報量を書き込む時の電力も減らせるってわけだ。

ニャンダロー:「積層化」という新たな技術が確立されたことで、今後ますますフラッシュメモリの大容量化と省エネが進むということですね!楽しみだニャ。先生、今日はありがとうございました。

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