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家庭用燃料電池「エネファーム」

エネルギーを家庭で作って上手に使う

水素と酸素から電気を作りながら、発電で発生した熱でお湯を作る、家庭用燃料電池「エネファーム」。その仕組みを磯部先生に教えてもらいました。

自分のエネルギーを自分で作る、わが家の燃料電池

ニャンダロー:先生こんにちは。エネファームって最近よく聞くけど、どんなものですか?

今回の先生 東芝燃料電池システム 設計部 磯部 康之さん

磯部先生:エネファームというのは、家庭用燃料電池システムの総称で、簡単にいうとガスから取り出した「水素」を「酸素」と化学反応させて、電気と水を作るんだよ。理科の実験で、水に電気を加えて、水素と酸素に分解したことはないかな。燃料電池はそれとは逆の仕組みで、水素と酸素を水にする際に電気を発生させるんだよ。また、化学反応の結果、電気の発生時には熱も一緒に発生する。その熱でお湯を沸かすのがエネファームなんだ。

ニャンダロー:お湯も電気も作るなんて、複雑そうだニャ。

磯部先生:具体的な仕組みはこうなっているんだ(図1)。まず、①の燃料改質装置で都市ガス・LP ガスから取り出した水素を、②の燃料電池スタックという電池の結合体で酸素と反応させ、化学反応を起こして電気を発生させる。酸素は、③の空気供給装置を使って送られる空気中の酸素を使うんだ。また、燃料電池でできた電気は直流なので、家庭で使えるように④のインバーターで交流に変換する。そして⑤の排熱回収装置では発生した熱で水をお湯に変え、⑥の貯湯タンクにためておく。このお湯はお風呂や洗い物に使えるんだ。お湯が不足したり、追いだきが必要になった場合は、⑦のバックアップ熱源機で素早くお湯を沸かすこともできるよ。

図1 システムのしくみ

ニャンダロー:ニャるほど。ちなみに、エネファームは環境に良いと聞いたんですが、どうしてですか?

磯部先生:それは「排熱回収」のおかげだね。もっと分かりやすくいうと、発電時に発生した熱を、エネファームならお湯を作る時に有効利用できるということなんだ。さらに、エネファームはエンジンなどを駆動する必要がなく、燃料の持っている化学エネルギーを直接電気に変えるので、ロスが少ないのも特長なんだ。

高い耐久性と、それぞれの家庭に合わせた発電パターンが強み

ニャンダロー:東芝製エネファームの強みってニャんですか?

磯部先生:10年間、発電を続けられる耐久性だね。定期メンテナンスは10年間に2 回で、この作業も発電したまま行えて、設置するお宅の負担も少ない。また、東芝は東日本大震災後、いち早く「自立運転機能」を搭載。停電時でもガスが供給されていれば、家庭に電気を供給できるようになっているんだ。

ニャンダロー:24時間ずっと発電し続けられるんだニャ。

磯部先生:そうだね。ただし、省エネのためには、発電し続けるよりも、お湯を使う量に応じて発電を停止したり、再開したりするほうが効率的なんだ。お湯がたくさんあるのにずっと発電を続けると、燃料であるガスを余分に消費してしまうからね。その場合は、いったんエネファームが運転を中止し、電力会社から供給される電力を利用したほうが省エネになる。東芝のエネファームはそれぞれの家庭で使うお湯の量や使うタイミングを賢く学習して、自動で運転をコントロール。各家庭に最もフィットしたパターンで運転を行うよ。

  • * エネファームが発電していない場合やガスの供 給が停止している場合は、自立運転は行いません

注目が高まるエネファーム

ニャンダロー:海外でも活躍するのかニャ。でも、日本人みたいにお風呂に入らないから必要ニャいかも…。

磯部先生:海外、特に欧州では、温水暖房などで大量のお湯を消費する家庭が多いんだ。エネファームは排熱を効率的に利用できるので、再生可能エネルギーと並んで普及拡大が期待されている。東芝燃料電池システムは、ドイツの家庭用燃料電池システムのトップメーカーであるバクシィ・イノテック社と開発・販売面で提携しているよ。

ニャンダロー:日本でももっとエネファームが増えると良いニャ。

磯部先生:今後は、蓄電池と組み合わせて省エネ・経済効果をアップさせた燃料電池システムや、純水素を燃料にした燃料電池などにも力を入れていくよ。2014 年の政府のエネルギー基本計画では、エネファームの設置数を2020年に140万台、2030年度には530万台という導入目標が示されていて、世間からの注目も高まっているんだ。

ニャンダロー:これからのエネファームが楽しみだニャ。先生、今日はどうもありがとうございました。

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