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ニャンダロー:良い仕事をするには健康第一!でも最近肉球が腫れちゃって通勤が大変だニャ。どこか病気なのかもしれない・・・今度猫ドックに行かないと。そういえば最近よく検査で使われるMRI装置はどうやって体の中を撮影しているんだろう?あ、東芝メディカルシステムズがあったぞ!先生に聞いてみよう。

今月の先生 東芝メディカルシステム 営業推進部 櫻井 あやさん

櫻井先生:こんにちは、MRI装置のユーザーサポートを担当している櫻井です。ニャンダロー君は“MRI”って何のことだか知っていますか? Magnetic Resonance Imaging、日本語にすると「磁気共鳴画像法」の略で、磁気の共鳴現象を起こし、そこで発生する電波を収集して画像にすることなんです。

ニャ:うーん、分からないです… 。

巨大な磁石

先生:では装置の説明からしますね。MRI装置には巨大なドーナツみたいな部分がありますが、あれは実はとっても強い磁石なんです。検査をしていなくても鉄製のパイプ椅子が真横に飛んでくっついて、人間の力じゃ外せないほど強力なんですよ。

ニャ:ギャー、怖い!

先生:だから検査室にはベルトやネックレスなどの磁性体は持ち込めないしペースメーカーをつけている人は検査できません。

ニャ:それは大変だニャ!でも何で磁石なんですか?

「プロトン」が発する信号

先生:体をつくる各細胞の中に存在するプロトンと呼ばれる水素原子核を「共鳴」させるためです。プロトンは、それ自体が絶えずコマが回るようにスピンしていて、そのスピンによってある一方向に磁気モーメントという力が生じています。でもそのベクトルの方向はどれもバラバラなんです(図1-1)。
大きい磁石であるMRI装置の中に入ると、ちょうど体を通り抜けるような一方向の磁場がかかっていて、それが各プロトンから出る磁気モーメントの向き“ベクトル”に影響し、そのバラバラな向きが整列します(図1-2)。ここまでは装置に入るだけで起こります。

ニャ:でも入るだけじゃ、体の中はまだ写せないですよね。

先生:そのとおり。まず装置から検査を受ける人に向けて電波を送信します。すると、さっきまで一方向を向いていた各プロトンの磁化ベクトルが一斉に別の方向へ傾きます(図1-3)。
そしてこの後が大事なんですが、電波送信をやめると、傾いていたプロトンが一斉に元に戻り(共鳴)、そのときにプロトンから信号が出ます。プロトンごとに違う戻り方、信号の出方を装置が受信して画像にするんですよ(図1-4)。

ニャ:倒れて戻るなんて起き上がり小法師みたいですね!解説ありがとうございました!

先生:残念、まだ終わりじゃないんです。このままではどこのプロトンがどんな信号を出しているかは分かりません。なので、ここで傾斜磁場という、観測する場所ごとに異なる強度の磁場をかけます(図2)。すると各信号に空間位置情報が加わり、立体的な観測ができるようになるんです。

図1:プロトンの信号を受信するまで 図2:傾斜磁場の役割

CTとの違い

ニャ:そうなんですね。ところで検査ではCT装置も使われるけど、ズバリどっちがいいんですか?

先生:いい質問ですね。答えはズバリ、どちらも「一長一短」なんです。
CTの長所は何よりも検査の手軽さですね。すぐに撮影が出来るから救急時に便利です。でも放射線を照射する必要があり、被ばくの問題もあります。
一方MRIはCTに比べて検査時間は長いですが、放射線を照射する必要がありませんし、いろいろな角度からの断面が撮影できます。また、X線とは違い軟骨や靭帯、筋肉などの軟部組織も撮影し易いんですよ。

ニャ:なるほど。CTもいいけどMRIも負けてないんですね。

東芝製の良いところ

先生:そうなんです。加えて、MRI検査は耳栓が必要なほどうるさいと言われるけれど、最新の東芝製MRI装置には装置の中を真空にすることで静音化させたPianissimo技術が使われているからとても静かなんです。それに、「Vantage Titanシリーズ」では患者さんが入る空洞部の広さが世界最大級なので、体の大きな人など、さまざまな患者さんにリラックスして検査を受けてもらえるよう、配慮しています。また、基本的に血管の撮影には欠かせなかった造影剤*1も、東芝のMRIでは必ずしも必要なわけではありません。造影剤が体に合わずに検査できなかった人や造影剤検査を避けたい人も繰り返し検査できるんです。

ニャ:患者さんに優しいんですね!

先生:最近では静磁場(MRI装置自体の磁場)が従来装置の2倍の強さを持つ3T(テスラ)の装置を国内メーカーで初めて発売しました。「Multi-phase Transmission」という最新技術が搭載されていて画像もとてもきれいなんですよ。認知症の原因のひとつである水頭症の診断や、脳の脊髄液が漏れる様子の撮影など、今後ますます治療に役立つ詳細かつ鮮明な診断画像が撮れるようになります。このような東芝のNo.1技術が、現代の先端医療を支えているんですよ。

ニャ:東芝のMRI装置がたくさんの人の命を救うことにつながるといいニャ。先生ありがとうございました。

最新の東芝製MRI装置「Vantage Titan 3T」
*1
画像へのコントラスト付与、特定の組織強調のために投与されるが、まれに副作用が生じることがある。

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