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太陽光発電用パワーコンディショナー

晴れのち曇りでも効率発電

東日本大震災をきっかけに、全国で節電の必要性が高まりました。そんな中で注目を集めているのが、再生可能エネルギーのひとつ、太陽光発電です。太陽光発電システムの中で、発電効率と電力系統安定化のための重要な役割を担う「パワーコンディショナー」について、東芝三菱電機産業システムの川口先生と飛田先生にお話を伺いました。

今月の先生 東芝三菱電機産業システム、パワーシステムエレクトロニクス システム事業部 川口 章さん(左) 飛田 正幸さん(右)

ニャンダロー:暑い日が続いて太陽がうらめしいニャ。でも、最近よく見掛ける建物の屋根の上や広い土地に並んでいる太陽光発電のパネルにとっては最高の季節、書き入れ時ニャんですかね。

飛田先生:意外かもしれないけど、太陽光パネルは温度が高いと効率は悪くなるんだ…。ただ、季節を選ばず太陽光発電は、自宅の屋根などにパネルを設置する家庭用の小規模なものから、商業施設の屋根、ゴルフ場の跡地や埋立地などの広大な土地に建設・運用されている大規模なものまで幅広く活用されてきているよね。

川口先生:国内では再生可能エネルギーをもっと普及・拡大させるために、2012年から電力の買取制度がスタートして、太陽光発電を導入する人が増えたんだ。

どんな天候の下でも効率よく発電

ニャ:あの黒いパネルで太陽光を集めたら、そのまま全部電力として使えるんですか?

飛田先生:太陽光パネルで発電した電気エネルギーは直流電力なので、これを工場で使えるようにしたり、電力会社の系統につなげるために交流電力に変換する必要があるんだ。この変換の役割を果たすのが「パワーコンディショナー」と呼ばれる設備だよ(図1)。太陽光発電で重要なのは、よりたくさん発電すること。そのためには、太陽光パネルから効率よく電気を引き出すことと、直流から交流に効率よく電力を変換することの2つがパワーコンディショナーには求められるんだ。ここでのロスが大きくなると、せっかくの太陽光エネルギーが無駄になってしまうからね。

図1:太陽光発電システムの流れ

ニャ:どんな仕組みで効率よく発電・変換してるんですか?

図2:日照量や温度に応じて最適な運転ポイントに調整(MPPT)

川口先生:発電量は、晴れているときは多く、曇っているときは少ないのは当たり前なんだけど、MPPT(Maximum Power Point Tracking:最大電力点追従制御)という制御によって、日照量や温度に応じて、最適な電圧のポイントを見つけて、発電電力が最大になるようにしているんだ。曇っているときでも、その条件下での能力を最大限に発揮できるようにね(図2)。

ニャ:曇りの日でも貴重な太陽の光を有効に使えるんですね。すごいニャ!

太陽光エネルギーを無駄なく電力に変換

飛田先生:直流を交流に変換するには、IGBT(Insulated GateBipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)という半導体素子を用いた変換回路を使うんだけど、従来はIGBTを2つのスイッチで変換作業していたものを、東芝グループ製品では3つのスイッチの構成にしたんだ。一般的にはスイッチを増やすと、部品が増えて製品が大きくなったり、ロス分が増えたりすると考えられていたんだけど、スイッチを増やしてよりきめの細かい変換を実現しながら周りの部品を小さくすることで、ロスの少ない変換が可能になったんだよ(図3)。

図3:3つのスイッチで電力の無駄を低減

ニャ:ニャるほど。再生可能エネルギーといっても、無駄なく効率よく活用することが重要なんだニャ。今後、世界中でますます太陽光発電の導入が進みそうですね。

川口先生:今後は、出力容量の大きいパワーコンディショナーが必要になると考えられているんだ。東芝グループでは、国内を中心に使われている太陽光パネル出力600Vの製品の他に、出力1000Vの製品も揃っているので、大規模の用途にも対応可能だよ。

ニャ:さっきまで暑くてたまらなかったけど、お話を聞いて太陽のありがたみを再認識できたニャ。先生方、どうもありがとうございました。

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