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CMOSイメージセンサー

レンズの裏側で光を電気信号に変換

皆さんが使っているデジタルカメラや携帯電話のカメラ。小型化や軽量化が進む一方、画質は衰えるどころかどんどん良くなっています。その秘密を握る「CMOSイメージセンサー」について、セミコンダクター&ストレージ社イメージセンサー応用技術部の鈴木先生に教えてもらいました。

今月の先生 セミコンダクター&ストレージ社 イメージセンサー 応用技術部 鈴木 敏幸さん

ニャンダロー:携帯電話やスマホ、タブレットなどに小さなカメラがついていますよね。このカメラの中にCMOSイメージセンサーが使われているって聞いたんですけど、それってニャんですか?

目の網膜のように光を集めて色や形を認識

鈴木先生:CMOSイメージセンサーは、猫や人の目の網膜にあたるような部品で、私たちが普段見ているカメラのレンズの内側にあるんだ。センサーの1つの画素は、マイクロレンズ、カラーフィルター(赤、青、緑の中の1色)とCMOS(相補性金属酸化膜半導体)を使ったシリコン基板内のフォトダイオード(光電変換素子)で構成されているよ。光はセンサーの受光面の上にあるマイクロレンズで集められ、カラーフィルターを通してフォトダイオードに取り込まれる。そして、カラーフィルターを通した被写体の光の明暗(光信号)をフォトダイオードが電気信号に変換するんだ。この電気信号を読み出すことで、デジタル画像を映し出しているんだよ(図1)。

図1:イメージセンサーのしくみ

ニャ:僕たちが見ているレンズの向こう側に、センサーの画素がたくさん並んでいるんですね!最近では携帯電話のカメラでも1千万画素を超えるものがありますよね。これって、あの小さい中に1千万個以上のマイクロレンズやカラーフィルター、フォトダイオードが入っているってことですか?なんだか気が遠くなってきたニャ〜。

小型化の壁を突破した裏面照射型センサー

先生:それは、ひとつひとつの画素が小さくなることで、センサーにより多くの画素を組み入れることが可能になった結果なんだよ。

ニャ:でも、画素のサイズが小さくなると、個々のフォトダイオードの面積も小さくなって、光が集まりにくくなるんじゃないですか?

先生:良いところに気が付いたね、ニャンダローくん。従来のCMOSイメージセンサーは、このマイクロレンズとフォトダイオードの間に、電気の入出力用の部品や配線層が多層に形成されていて、入射光が途中にある配線にぶつかって跳ね返ったり、屈折を起こしたりして、マイクロレンズで集めた光が効率良くフォトダイオードに到達できないことがあったんだ。画質を良くするために画素を増やすと、一画素の面積が小さくなり、また、高速駆動の実現のために配線層を多くすると、集光率が悪化するという課題があったんだ。

ニャ:光が集まらないと、きれいな画像は撮れないし…。まさに二律背反ですね。

先生:そこで考えられたのが「裏面照射型」という方式だよ。従来は配線の奥にあったフォトダイオードを前面にもってきて、配線層の裏面から光を入れることで、配線や部品の影響を受けずに画素に入る光の量を増やすことが可能になったんだ(図2)。最近では、多画素の製品はこの裏面照射型CMOSセンサーが主流になっているよ。

ニャ:ニャんとっ!配線層とフォトダイオードの位置を入れ替えるなんて、まさに発想の転換ですね。こうして高精細での多画素化が可能になったんですね!

図2:表面照射型と裏面照射型CMOSセンサー

イメージセンサーの活躍はどんどん広がる

ニャ:今は本当にいろいろなものにカメラ機能がついて、コミュニケーションを楽しんだり、セキュリティに役立ったりしていますよね。

先生:そうだね。現在は、図3のようにさまざまなものにカメラ機能が搭載されている。特に医療用のものはセンサーが小さくなったことで、今までカメラで写すことができなかった内臓や血管の中なども撮影できるようになり、利用範囲が大きく広がろうとしているよ。

ニャ:今まで見えなかったものが撮影画像で見えるようになるんですね。ますます楽しみだニャ。先生、どうもありがとうございました。

図3:イメージセンサーのアプリケーション例

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