Japan

トップページ > 学ぶ(ヒストリー・サイエンス) > 東芝の歴史/TOSHIBA SPIRIT > 万年時計について > 万年時計復活プロジェクト > 現代の匠が挑む

現代の匠が挑む

万年時計のレプリカは、京都の伝統工芸士たちによって作られた。
磨き抜かれた匠の技。京都の伝統工芸士たちが、万年時計の復刻に挑んだ。京指物、木彫、七宝、蒔絵、螺鈿、金属工芸。それは、時を越えて、からくり儀右衛門と、対話することだった。気品と優美さ、輝きをまして、万年時計が現代に蘇った。

現代の匠が挑むの拡大写真

  • 作業の様子 画像1
  • 作業の様子 画像2
  • 作業の様子 画像3
  • 作業の様子 画像4
  • 作業の様子 画像5
  • 作業の様子 画像6
  • 作業の様子 画像7
  • 作業の様子 画像8
  • 作業の様子 画像9
  • 作業の様子 画像10
  • 作業の様子 画像11
  • 作業の様子 画像12
  • 作業の様子 画像13
  • 作業の様子 画像14

上の画像をクリックすると拡大画像をご覧になれます。

万年時計のレプリカは、伝統工芸の分野で日本を代表する職人たちによって作られました。

先人たちを超えたい気持ちで頑張りました。外装部製作責任者 京都木工芸副理事長 綾部之さん

先人たちを超えたい気持ちで頑張りました。

外装部製作責任者 京都木工芸副理事長 綾部之さん

万年時計の複製。今回、それぞれの部分で、腕を振るえたことに、職人一同とても喜んでいます。伝統工芸を盛り上げる意味でも、この仕事はありがたい話で、東芝さんに感謝しています。国宝の復刻など、一線の仕事に携わる皆さんに仕事をお願いしました。とても大変な仕事だからこそ、私たち職人にとってもチャレンジするチャンス。昔の技法に教えられることもあり、発見もあり、勉強になります。さまざまな工芸を駆使して複製をつくるのに、ひとつの町で対応できるのも京都ならではです。

200年はもつ万年時計をつくる。
京指物 井口彰夫さん

200年はもつ万年時計をつくる。

京指物 井口彰夫さん

初めて万年時計を目にしたとき、150年以上も前に、あれだけきっちりしたものをよくつくったものだと思いましたね。今回の複製では、200年はもつ作品をつくることを目標にしました。土台は、時計を支えるまさに要の部分。年数が経っても歪むことがない材料を吟味し、京都の迎賓館でも使用される尾州のヒノキを選びました。現存する万年時計よりも、もっと良いものに仕上がったと思います。

同じ職人として、感心させられることばかり。木彫 今堀芳洞さん

同じ職人として、感心させられることばかり。

木彫 今堀芳洞さん

現存する万年時計が見本であり、私の"師匠"。当時の職人さんになったつもりで想像しながら手を動かします。 けれどどうしても、その人の手の動きにならないのですね。「自分だったら、こうやるのに…」という"我"が通りません。「まったく同じものをつくる」というのは、じつに辛いことなんだと実感しました。当時の最先端の技術で作られたこの時計は、装飾においてもトップクラスの職人さんたちの手によって仕上げられたもの。当時としては最高の技術や手法が取り入れられ、同じ職人として感心させられます。今回、複製の一部ではありますが、この仕事にかかわることができたことは、私にとってとても光栄なことですね。

図柄や色づけ、繊細な職人技に脱帽。七宝 野村ひろみさん

図柄や色づけ、繊細な職人技に脱帽。

七宝 野村ひろみさん

七宝(しっぽう)を担当した職人さんは、芸術性に優れた"線の魔術師"ですね。見た目はシンプルな図柄なんですが、よく観察すると、細かい真鍮(しんちゅう)線や銀線を使って、見事なまでの繊細さです。現在の七宝では表現できないような難しい手法が取り入れられ、とても勉強になります。現物を目前にして作業できるわけではありません。微妙な色合いを出すのがものすごく難しいんです。写真やパソコンに取り込んだ画像だけに頼らず、私が実際に本物を見たときの色づかいのメモと照らし合わせながら絵の具を配合して、できるだけ忠実に色を選んでいきます。

七宝:銅・銀などの金属の表面にガラス質のうわ薬を焼き付ける工芸技法。華麗な色彩に富んだ作品になります。
何度も試作して本番に臨みました。蒔絵 山下義男さん

何度も試作して本番に臨みました。

蒔絵 山下義男さん

図案の作成から筆の選び、線の引き方、漆の材料選びまで、本番にとりかかる前に何度も試しました。単なる線だけの図柄なんですが、これがじつに緊張します。漆を付けた筆で線を引くとき、線を重ねてしまうと、わずかな漆の厚みによって金粉の付き方が違ってしまうんです。 この六角形の板の蒔絵(まきえ)は、「研ぎ出し蒔絵」という技法が用いられています。漆で金粉を定着・乾燥させた後、面全体に真っ黒な漆を塗り、駿河炭などを使って表面を磨いていきます。磨き込むことでいっそう美しい仕上がりになる。当時の職人は、細部までこだわっていたんですね。

蒔絵:漆で文様を描き、金・銀・スズ・色粉などを付着させた漆工芸。
職人さんのものすごい"根気"が伝わってきます。螺鈿 兼松清さん

職人さんのものすごい"根気"が伝わってきます。

螺鈿 兼松清さん

螺鈿(らでん)は、アワビや夜光貝などの美しい光沢を持つ真珠層の部分を装飾に利用するものです。平らにして細かく切って細工していきます。今回、銀で裏打ちしたものを使う手法を採用していますが、私も50年くらい手掛けていない技法。きっと白い色を出したかったんでしょうね。
今回の仕事は、表側の見える部分だけでなく、手の入らないような内側まで貼り込んでいくものでした。しかも、こんな大きな面積に装飾していくなんて、昔の人はものすごい根気があったものだと思います。

手の込んだ技法に感心させられました。金属工芸 浅野昭夫さん(三世:平安美芳)

手の込んだ技法に感心させられました。

金属工芸 浅野昭夫さん(三世:平安美芳)

普通は図面をもとに複製していくのですが、今回は写真などをもとにして原図を起こすところから始めなくてはなりませんでした。六面の時計周りの模様は微妙に異なり、それを忠実に写していく作業は、とても大変なことでしたね。感心させられたのは、透かし彫りの装飾部。0.2mmほどの穴が開けられているのですが、当時の職人さんはどんな道具を使って開けたのか・・・。その道具があれば、もっと忠実にできたのだと思いますが、技術ではオリジナルを超えたいという意気込みをもって取り組みました。

関連リンク

学ぶ(ヒストリーサイエンス)トップページ

東芝未来科学館 〒212-8585 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地34 スマートコミュニティセンター(ラゾーナ川崎東芝ビル)2F

このページのトップへ