Japan

トップページ > 学ぶ(ヒストリー・サイエンス) > 1号機ものがたり > 世界初の可変気筒デュアルロータリーコンプレッサー

世界初の可変気筒デュアルロータリーコンプレッサー

精密加工技術を駆使して日本で初めて独自開発に成功、
インバーター技術で世界に先駆け、空調用コンプレッサーの潮流を築く。

世界初の可変気筒デュアルロータリーコンプレッサー

米国GE社が1950年代の前半に空調用ロータリーコンプレッサーを商品化している。日本では、当社が1967(昭和42)年からGE社の30型シリーズを参考に空調用ロータリーコンプレッサーの開発を独自に進めた。この開発は全社を挙げた開発となり、1969(昭和44)年ついに自社技術による日本初の空調用ロータリーコンプレッサーを開発した。高速、高精密なミクロン単位の加工技術開発により、効率の高さ、シンプルな機構、低コストを実現したロータリーコンプレッサーは世界中の家庭用エアコンの多くに使用されており、その歴史は当社が築き上げたと言っても過言ではない。

その後、1973(昭和48)年の石油危機による省エネ意識の高まりから、従来のコンプレッサーのオン・オフ運転で室温調整を行う方式に代えて、コンプレッサーの能力を可変制御できる機能が必要とされた。当時は、低速から高速まで広範囲の回転速度で運転可能なコンプレッサーは存在せず、またインバーターは高価で大きいという欠点があり、エアコンへの搭載は困難と考えられていた。

しかし、ここでも当社は、可変速に耐えられる家庭用ACインバーター駆動シングルロータリーコンプレッサーを世界で初めて開発した。インバーターに関しても大幅な小型化・軽量化を実現して、1981(昭和56)年に世界に先駆けて家庭用インバーターロータリーエアコンを発売した。その反響はすさまじく、エアコン技術史に大きな革命を起こしたとして1984(昭和59)年に(財)新技術開発財団から第16回「市村産業賞・貢献賞」を受賞した。その後、1988(昭和63)年に家庭用ACインバーター駆動ツインロータリーコンプレッサーを開発。ツインロータリーコンプレッサーにすることで振動を抑え静穏性の向上と共に、冷暖房能力の大幅な向上が可能となった。さらに、1993(平成5)年にはDCインバーター駆動ツインロータリーコンプレッサーを開発し、従来の機種に比較して電気代が一挙に半減するほどの省エネを達成した。この開発は、いままで交流(AC)モーターで圧縮機(コンプレッサー)を駆動していたが、新開発の直流(DC)モーターで駆動することで可能となった。そして2004(平成16)年に超省エネを実現した世界初の可変気筒デュアルロータリーコンプレッサーが開発された。この開発に対して、2005(平成17)年、(一財)機械振興協会から第2回「新機械振興賞」を受賞している。従来のツインロータリーコンプレッサーではインバーター制御しても、定常運転で一定温度を保つためにどうしてもコンプレッサーのオン・オフによる無駄な電力が必要であった。それを可変気筒デュアルにすることで、一方の気筒のみをオフにして定常運転し、一定の温度を保てる究極の超省エネ運転が可能となった。特に、最近の戸建て住宅やマンション、オフィスは気密性の高い構造になっており、省エネ効果が大幅に向上した。さらに進化を重ねた高効率可変気筒ロータリーコンプレッサーは、2012(平成24)年、(一社)日本機械学会の技術部門賞も受賞している。

可変気筒デュアルロータリーコンプレッサーの分解図
可変気筒デュアルロータリーコンプレッサー
の分解図

(一社)日本機械学会の技術部門賞
(一社)日本機械学会の技術部門賞

関連リンク

1号機ものがたり一覧へ

学ぶ(ヒストリーサイエンス)トップページ

東芝未来科学館 〒212-8585 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地34 スマートコミュニティセンター(ラゾーナ川崎東芝ビル)2F

このページのトップへ