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世界初の550kV 1点切りガス遮断器

変電所の大容量化と縮小化の切り札となる消弧室の開発実用化は、
都心への大容量送電を可能にした。

世界初の550kV 1点切りガス遮断器

戦後の経済成長に合わせて当社は開閉装置の高電圧化・大電流化を進めてきたが、1970(昭和45)年頃から気中絶縁機器に代わって、絶縁性能に優れたSF6ガスを用いたガス遮断器(GCB)やガス絶縁開閉装置(GIS)を開発してきた。定格電圧の高い300kVや550kVの遮断器は、初期には複数の遮断点を直列接続して高電圧化に対応してきたが、さらなるGIS機器の縮小化が課題となり、遮断点数の半減に向けて工場と研究所が一体となって開発に取り組んできた。

従来二つの遮断点で構成していた遮断器を1点で構成するには、遮断性能を2倍に向上させることが必要で、その遮断性能検証を行うためには大規模で特殊な試験設備が必要となる。そこで世界最大級の短絡試験設備を重電技術研究所内に設け、この短絡試験設備をフル活用することにより、当社の独自開発で300kV 1点切りの遮断性能を達成した。そして、この新しい遮断技術を適用した世界初の300kV 1点切りガス遮断器を1982(昭和57)年に東京電力新京葉変電所に納入した。2点切り遮断器を1点切りにすることで、GISの高さを低くすることが可能となり、300kV地下変電所を構成することが可能となった。これは電源の立地が困難な都心部に大量の電力を効率よく供給する上で非常に意義のある技術である。また、当初50kAであった遮断電流も63kAまで容量を増した。これには当社の固有技術であり、電流遮断時に発生するアークの熱エネルギーを電流遮断に活用するハイブリッドパッファー消弧方式が大きく寄与した。

300kV 1点切りガス遮断器の技術を適用することで、これまで4点切りであった550kVGCBを2点切りにすることが可能となり、その1号機を1984(昭和59)年に九州電力豊前変電所に納入した。この遮断器はGISにも適用され、主母線の三相一括化などのGISの技術革新ともあいまって、550kV 1点切りガス遮断機のコンパクト化に大きく寄与した。また系統容量増加に対応して短絡電流の63kA化や定格電流の8,000A化などを実現した。

550kV遮断器の1点切り化に際してはさらなる遮断性能の向上が必要となり、ハイブリッドパッファー方式に加えてデュアルモーション操作方式を開発した。これは従来の遮断器が接点の片側のみ動作させるのに対し、一つの操作機構で可動接点の駆動と同時に対向側の接点を逆向きに駆動するという画期的な構成となっている。これにより接点間の相対的な開閉速度を飛躍的に高めることが可能となり、1点切りGCBの実現に大きく貢献した。近年、他社でもデュアルモーション操作方式を実施する事例が増えており、当社の先見性を象徴する事例となっている。世界初の550kV 1点切り遮断器は1993(平成5)年に東京電力新筑波変電所に納入された。

550kV 1点切り遮断器はGISにも採用され、敷地面積の大幅な低減に寄与している。さらに、このGISは1998(平成10)年に世界初の550kV地下変電所用として東京電力新豊洲変電所に納入されている。この変電所は非常に注目度が高く、現在でも国内外から多くの専門家が見学に訪れている。

東京電力新京葉変電所の写真
東京電力新京葉変電所

200MVAと150MVA発電機2台構成の短絡試験設備の写真
200MVAと150MVA発電機
2台構成の短絡試験設備

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