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日本初の日本語ワードプロセッサー

現在あらゆるIT分野の入力手段である「仮名漢字変換」により
生み出された日本語ワードプロセッサー。

日本初の日本語ワードプロセッサーの画像

日本語を誰もが簡単に書けるようにしたいという明治時代からの思想は電子計算機によるローマ字、カナ文字使用が実現されてから、さらに強固なものになり、漢字を扱いたいというニーズが強くなっていた。

漢字は常用漢字に限っても1,945字あり、人名漢字284字を合わせると2,229字に及ぶ。この漢字をどのようにして簡単、高速に入力できるかは、大きな問題だった。当時、漢字入力は、和文タイプライターのような全文字の配列キーボードを用いるしかなかった。

この字単位入力に対して、計算機そのものの機能を活用した言語学的入力法を採用した漢字入力法が「仮名漢字変換」であるが、実用化には至らなかった。言語学的方法の最大の課題は、日本語の文法をどのように電子計算機に教えられるか、という問題だった。人間にとっても難しい文法を、電子計算機に教えるには、人間用の文法とは違った文法を作らなければならず、それが難問だった。

1972(昭和47)年、当社は計算言語学的アプローチの予備的検討を開始し、京都大学長尾研究室の協力を得て、日本語の構文解析の研究を始めた。1974(昭和49)年に文節の形態素解析を基本とした仮名漢字変換の研究を開始し、1978(昭和53)年、日本初の実用的な仮名漢字変換システムが完成した。

その後、別途開発した小型・低価格の漢字処理用ハードウェアコンパクトなOSとスクリーンエディターを一体化させ、1978(昭和53)年9月26日に日本初の日本語ワードプロセッサーJW-10として発表し、即日データショーにおいてデモ展示を行った。この日が「ワープロの日」と制定されている。

この言語処理の技術は、本来は変換のいらない英語ワードプロセッサーにも影響を与え、JW-10のように辞書を備えることにより、スペリングミスを自動的に指摘、修正できるようになった。さらに、漢字など表意文字を使う言語は、仮名漢字変換技術を基にした各国独自の技術を開発することにより、日本語と同じように簡単に入力できるようになったのである。

JW-10の登場以降、日本語ワープロはオフィスだけではなく一般家庭にまで浸透したが、1990年代半ばになるとパソコンの低価格化が急速に始まったため、専用ワープロは、惜しまれながらも次第に姿を消すことになる。JW-10で培われた仮名漢字変換とエディターの技術は、パソコン、携帯電話など、日本のあらゆるIT分野の漢字入力手段として引き継がれ、発展を続けている。

全文字配列の和文タイプライターの一種
全文字配列の和文タイプライターの一種

1983年 Rupo試作原形型
1983年 Rupo試作原形型

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