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世界初のブラック・ストライプ方式ブラウン管

より明るく、鮮やかに。
テレビ用カラーブラウン管の世界標準システムが搭載された画期的製品。

写真は細ネックタイプ
写真は細ネックタイプ

1950年代後半、NHK技術研究所を中心に各メーカーは共同でカラーブラウン管の試作研究を行っていた。1960年代から徐々に量産に移行し、1964(昭和39)年の東京オリンピック開催を契機に、急激にカラーテレビ市場が成長した。

当時は米国の技術をベースにしたデルタ配列電子銃・丸孔シャドウマスク方式だったが、1965(昭和40)年に入ると70度偏向管から90度偏向管へ移行した。希土類蛍光体の導入による明るさの向上や、シャドウマスクの熱膨張を補償するバイメタル技術の採用、ブラックマトリクス (BM)スクリーンの採用による明るさの向上など、新技術が導入され性能が大幅に向上した。しかし改善が必要な部分も多く、色純度やコンバージェンスの調整が難しく、必要な調整回路も複雑で高価であり、高品位化や、広偏向角化による奥行きの短縮はシステム的には困難だった。

これらの問題を解決したのは、新しく開発されたスリットマスク、ストライプスクリーン、インライン電子銃をもつカラー管で3本の電子銃をインライン(一列)に配列し、シャドウマスクの開孔を長方形状(スリットマスク)に、スクリーン構造を線状(ストライプ)にした。こうした組み合わせはカラー管としては初めてであり、性能や多くの利点が期待できたが、製造が困難で実現には新しい部品やプロセス開発が必要になった。

可能性自体が不明だったスリットマスクは、それでも試行錯誤を繰り返すなかで設計やプロセス条件を掴み、実用的に十分な、開孔品位、開孔率と機械強度をもつ特殊開孔形状のスリットマスクが完成した。高開孔率のスリットマスクは、明るさが従来比20%向上した。スクリーンもインライン方式カラー管もBMスクリーンを採用した。BMスクリーンの製作は、フェース曲面とスリットマスクの不連続開孔の影響を受けやすかったため、時間をかけて、長光源の揺動とシャッターを併用する新露光方式を導入して解決した。

インライン方式カラー管は明るさの向上とコストダウンが実現できただけでなく、画面上下および横方向のランディングも正確になったため、色純度品位が向上し、調整も容易になった。

1971(昭和46)年には、蛍光体ストライプだけのスクリーンで14インチ管を商品化、続いて20インチ110度偏向BKS管を商品化した。ノン BS管も一世を風靡(ふうび)した。その後、テレビ用カラーブラウン管の世界標準となった基本システム(インライン電子銃、スリットマスク、ストライプスクリーン)は、このカラーブラウン管をもって嚆矢(こうし)とする。

ブラック・ストライプ方式ブラウン管の構造図
ブラック・ストライプ方式
ブラウン管の構造図

20C223 明るく、鮮やかなハイコントラストブラウン管採用
20C223 明るく、鮮やかなハイコントラストブラウン管採用

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