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世界初の大容量静止型無停電電源装置

電力用半導体素子(サイリスター)の開発で大容量化を実現。
現在の高度情報社会を支える無停電電源システムの基盤になった。

世界初の大容量静止型無停電電源装置の画像

コンピューターをはじめとする情報処理システムや通信機器に安定した電力を供給する装置として以前は回転型のモーター・ジェネレーター装置(MGセット)が使用されていたが、1964(昭和39)年に当社は初めて電力用半導体素子のサイリスターを適用した静止型無停電電源装置(容量は5kVA)を実用化した。

3年後の1967(昭和42)年には200kVAという大容量無停電電源装置を実用化し、1秒の停電も許されない航空機の発着・管理などを行う東京国際空港羽田飛行場の管制システムに採用された。

基本機能は、常時商用の交流電源を受電し、これをシリコン整流素子で直流に変換後、サイリスターインバーターで安定した交流電力に変換して負荷に供給する。また、これと同時に充電器によって蓄電池を充電しておくことで商用電力が停電した際、直ちにその蓄電池からサイリスターインバーターに直流電力を供給し、インバーターは停電することなく交流電力を負荷に供給し続けられる。また、停電によって蓄電池の電源を使い果たす前に、商用電源とは別に備えた非常用自家発電装置を起動し交流電力を作り、停電中の商用電源に代わって交流電力を供給し、運転継続できるシステムである。

当時は電圧や周波数が安定した電源装置という意味合いで定電圧定周波数電源装置(CVCF)と称されていた。現在では無停電で電力供給し続ける機能を重視して無停電電源装置(UPS)と称している。その頃からコンピューター時代への移行が急加速され、コンピューターは高速化、高性能化、大規模化が進み、それに伴いコンピューターを停止させないための安定した高信頼度の無停電電力が不可欠となってきた。

1970年代には高信頼度を実現させるためのシステム技術が進展し、商用電源をバイパス電源として無停電で負荷給電継続するための無瞬断切換えスイッチの実用化、複数台のUPSからなる並列冗長システムを構成する高速サイリスター遮断器の実用化、高性能、高信頼度のシステム制御技術の開発が進み、50kVAから300kVAを標準化したTOSNIC(Toshiba Non Interruptible Converter)シリーズを製品化した。

直流から交流への電力変換には当時600V-300Aの高速サイリスターと転流リアクトル、転流コンデンサーを用いたマクマレー方式インバーターが使用されたが、その後自己消弧形電力用半導体素子が出現し、ゲートターンオフサイリスター(GTO)を経て絶縁ゲートバイポーラトランジスター(IGBT)を使用したインバーター、コンバーターが用いられた。電力用半導体素子の発展とともにUPSは高性能、高機能、高信頼度を実現し、社会の要請に応え目覚ましい発展を遂げてきた。1980年代後半には1カ所で13,000kVAものUPSが設備されたオンラインシステム用計算センターが登場し、現在では高度情報社会を実現するデータセンターや各種管制システム、半導体製造工場などの重要なシステムに24時間365日無停電で電力を供給し続けるためには無くてはならない電源システムとなっている。

TOSNIC
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TOSNIC 200kVA
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