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日本初のスプリット形ルームエアコン

カーエアコンのセルフシーリングカップリングをヒントに
国産第1号のスプリット形ルームエアコンを開発。

日本初のスプリット形ルームエアコンの画像
写真はスプリット形ルームエアコン室内機(量産型)

スプリット形ルームエアコンは、1961年(昭和36)年4月に当社が業界に先駆けて発売した「CLU-7I」(室内機)と「CLU-7H」(室外機)が、日本初である。その後、新機種の開発を進め、機種構成の拡大をはかり、冷房機能だけのルームクーラーから、冷暖房兼用のルームエアコンへの脱皮を行い、年間を通じての空調機器として機能するようになった。当時ルームクーラーはウインドウ形、水冷フロア形が主流であり、その据え付けはビルの事務所、店舗などが多く、一般家庭用としては家屋の構造などの制約もあり、普及は伸び悩みの状況であった。

そこで、業務用冷凍機のようにクーリングユニット(室内機)とコンデンシングユニット(室外機)を分離して、配管工事を現地施工する方法を考えたが、一般電気店では溶接を伴う施工は困難であったので、対応に苦慮していた。そんな折、当時のカーエアコンの開発製造を行っていた柳町工場で、新開発のカーエアコンの冷媒配管に溶接工事のいらないセルフシーリングカップリングを採用したところ、良好な成績であったので、家庭用エアコンにもこの方式を採用することを検討した。

このセルフシーリングカップリングは米国エアロクイップ社が航空機部品として開発した方式で、技術提携していた横浜ゴム(株)から柳町工場に売り込みがあったものだった。これを使用すれば現地で冷媒ガスの注入や配管の溶接工事をしなくても冷凍機工事ができることが分かり、早速試作を行った。3/4馬力コンプレッサーを使用し、クーリングユニット(室内機)とコンデンシングユニット(室外機)に分割し、配管にセルフシーリングカップリングを付け、様々な実験を重ねた結果、ガス漏れもなく、動作も確実で実用に耐えうることが分かり商品化を計画した。

1959(昭和34)年柳町工場にてルームクーラーやカーエアコンなどの部品や機能を様々な角度から比較検討して開発されたものは現在のスプリット形ルームエアコンの原型となっている。これらの実験は、現在のような自動化設備もなく、実験グループが食塩やビタミン剤の配給を受けながら、高温多湿の実験室で苦労の末成功したものである。そして、1961(昭和36)年に試作機の3/4馬力から冷房能力を1馬力にアップし発売した。当時エアコンの生産は柳町工場から富士工場に順次移管されつつあったが、新開発商品ということで初ロットは柳町工場で生産された。その後、富士工場に移管され、次々と新機種を開発して機種構成は大幅に拡大された。その間、室内ユニットは壁掛け形が開発され現在の主流となっている。また、機能面では1971(昭和46)年に除湿タイプ、その翌年にヒートポンプタイプが開発され、家庭用エアコンの省エネの先駆けとなった。

スプリット形ルームエアコン室外機(量産型)
スプリット形ルームエアコン室外機(量産型)

初期のスプリット形エアコン室内機
初期のスプリット形エアコン室内機

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