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日本初の発電用ガスタービンを完成

戦前の高速魚雷艇用ガスタービンが、地下から掘り出され、
戦後、日本初の発電用ガスタービンとして生まれ変わった。

日本初の発電用ガスタービンの写真
独立行政法人 海上技術安全研究所 所蔵 電気の史料館にて展示

1943(昭和18)年、石川島芝浦タービン(現:当社のタービン部門)が、海軍から高速魚雷艇用エンジン開発の依頼を受け、その開発に着手した。当時、わが国にはまだガスタービンの技術はなく、欧米のわずかな資料をもとに、技術者たちは文字通り寝食を忘れて、その開発に取り組んだ。その甲斐あって、1944(昭和19)年には試験運転を行うまでになった。しかし翌年、終戦となり、このガスタービンを工場の空き地に埋めてしまった。終戦後、このガスタービンの開発を知った連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)から、ガスタービンの図面を持って出頭せよとの命令があり、関係者は何か尋問されるのではないかと恐る恐る出頭した。ところが、とても丁重に迎えられ、しかも持参したその図面を売ってくれと言われ、関係者はまったく予想外の話に驚き、図面を渡すのもそこそこに、早々に退散したと伝えられている。

このガスタービンは当時の鉄道技術研究所(鉄研)の要請で掘り起こされ、1949(昭和24)年に日本初の発電用ガスタービンとして生まれ変わり、「鉄研1号ガスタービン」として命名された。その後、このガスタービンの軸流圧縮機、燃焼器、タービンなどの主要部分について詳細な研究が行われ、その成果は、わが国のガスタービン技術の発展に大きく貢献した。当社は、当初から海外企業との技術提携のもとに、国内外向けに多くの発電用ガスタービンを製作していた。第2次オイルショック以降の1980(昭和55)年ごろになると、発電効率を一段と高めることができるコンバインドサイクル(C/C)発電システムが注目されるようになった。これは、まずガスタービンで発電し、その排ガスを排熱回収ボイラーに導いて蒸気を作り、それで蒸気タービンを回して、さらにエネルギーを得ようとするものである。従来は、ガスタービン単独では排熱エネルギーが大きく、熱効率が低いため蒸気タービンに太刀打ちできなかったが、このコンバインドサイクル方式をとることによって、蒸気タービンより高い熱効率が得られるようになった。また、ガスタービンの燃料としてLNG(液化天然ガス)を用いることによって、排ガス中のCO2を低減できることから、現在ではLNGによるコンバインドサイクル発電が多く採用されるようになっている。

当社は、アメリカで多くの実績を持つGE社と1982(昭和57)年にガスタービンに関する技術提携を行い、大型発電用コンバインドサイクル(C/C)発電所の建設を開始した。その年、1,100℃級ガスタービンで構成される東京電力富津火力発電所1号系列向けに、1,000,000kW発電プラント(7軸で構成)の1軸を製造した。1990年代に入ると、ガスタービンの高温化による高効率化が進み、燃焼ガス温度は1,300℃級となった。1998(平成10)年には、中部電力新名古屋火力発電所7号系列1,458,000kW(6軸で構成)コンバインドサイクル発電プラントを完成した。

組み立て中の1号ガスタービン
組み立て中の1号ガスタービン

コンバインドサイクル発電システム
コンバインドサイクル発電システム

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