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第4回  2015年2月10日(火)

「あついつめたい 化学反応にちょうせんしよう」のひみつ

【リカタンず】&「さかさパンダ」の中の人 中川先生

 東芝未来科学館で活動の長い団体の1つ、「リカタンず」は、独自の理科教育雑誌「理科の探検」を編集するメンバーから生まれた団体です。人数も多く、科学館ではおなじみの中川先生もメンバーの一人として活動しています。他の団体とのつながりも広い中川先生は、実験工房のどんなひみつを教えてくれるかな?

リカタンずのひみつ あべまりのひみつ ひみつのエピソード 今日の工房 舞台ウラ ひみつのオススメ理科・科学 みらいの工房

リカタンずひみつ

みらいちゃん 「リカタンず」は旧科学館から活動を続ける団体の1つで、中川先生もメンバーのいろんな先生とも知り合いです。改めて「リカタンず」について教えてください!中川先生のように、中にはお母さんをしながら活動しているメンバーも多いのですか?

さかさパンダの着ぐるみを着る中川先生の写真

中川先生(以下 な):メンバー自体は、主婦だったり、ボランティアで科学教育に関わっている人や学校の先生、ライターさん、デザイナー、芸人さんまで幅広くあわせて全国に180人以上はいます。みんなで「理科の探検」略して「りかたん」という雑誌を編集・執筆しているんですが、それをメーリングリスト上で編集しているんです。東芝未来科学館ではそのうち約20人くらいが活動をしています。わりと学校の先生が多いですね。主婦の方も、たとえば元学校の先生とか、元研究者の主婦の人がわりと多いと思います。

「リカタンず」はもともと雑誌から誕生したんですね。それが外で活動を始めるようになったきっかけはなんでしょうか?

理科の探検の写真

な:そもそも、リカタンずという名前は、それまで全国の「理科の探検」の編集委員各自で教室などをやるときに「リカタンず」と略してよんでいたものです。メンバーの中にはピン(一人)でサイエンスショーやっていた方もいたので、旧東芝科学館に呼んで、ショーをやってもらったりしたことが始まりです。それがこの科学館で教室をやり始めてから、「リカタンず」の地位を確立していきました。

「リカタンず」は先生によって教室はいつも十人十色ですが、教室づくりの特徴はありますか? たとえば、冬休みのイベントでは面白くてはっとさせるような仕掛けがたくさんの工作を用意してくれました!

な:学校の先生的な考えというよりは、エンターテイメント性を大切にしているという感じがします。「科学の種」をまいていこう、“ふしぎ”、“おもしろい”、“すごい”、“へんだなあ”というような、種をばらまく人たちというイメージがすごくあります。この「科学の種」という言葉は、朝永振一郎さんという1965年にノーベル物理学賞を獲った方の言葉です。「不思議と思うこと、それが科学の芽です、よく観察して確かめ、そして考えること、それが科学の茎です。そして最後にナゾが解けること。それが科学の花です。」・・・家のトイレに貼ってあるほど、大好きな言葉です。東芝未来科学館に来ている人が、科学の花を咲かせる、実をみのらせることができれば、種をまいた甲斐があると思って活動しています。

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中川先生ひみつ

みらいちゃん 「科学の花を咲かせたいって素敵な言葉ですね。そんな想いを持つ中川先生のひみつを続けて教えてもらいましょう!中川先生は教室で先生もするけど、プロデューサーでもあるって本当ですか?

な:肩書的にはフリーランスで、科学コミュニケーター科学プロデューサーとして働いています。リカタンず以外にも、他のいろんな団体とフリーランスというかたちで関わっています。

フリーランスの科学プロデューサーってかっこいい響き!そういえば、中川先生はいくつか科学教育養成コースを受けていたことがあるんですよね。

な:日本未来科学館の科学コミュニケーター養成プログラムや、東京大学では科学技術インタープリター養成プログラムという、科学の難しい言葉を科学の非専門家の方にもわかりやすく翻訳して伝えるための講座を受けました。それから、国立天文台の科学プロデューサー養成コース。あともうひとつ、東芝さんのNPO法人リアルサイエンスさんのリアルサイエンスマイスターもとりました。どれも、リカタンずになる前から受講していたものです。

そういえば、中川先生はリカタンず以外にも、自分で「さかさパンダプロダクション」を名乗っていますね。なぜさかさパンダだったのですか?なぞです・・・!

白黒さかさまのパンダの写真

な:着ぐるみをきたり、ペンネームを「さかさパンダ」にしたのは、もともと私のニックネームだからなんです(笑)。私は北海道出身で冬はクロスカントリー、夏はスポーツサイクリングしていました。いつもサングラスかけてて、いわゆるサングラス焼けをしていたのですが、北海道ではそのことを”さかさパンダ焼け”というのでそれがあだ名になりました。また、気軽にサイエンスに寄ってもらいたい、人寄せパンダにもなりたかったという気持ちもあって、ただのパンダよりさかさパンダの方が「あれ?なんだろう」と寄ってきてくれると思いました。

パンダの先生は、実は目立ちたがりだったんですね~だんまりなラビ先生とはちがうな。

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ひみつエピソード

みらいちゃん ところで、中川先生の授業でインパクトを受けるお子さんも多いと思いますが、中川先生にとって今の教室活動につながった子供の頃の工作の思い出はなにかありますか?

な:かこさとしさん(*)という、川崎にゆかりのある絵本作家の方が描いた「かわ」という本が好きでした。今の児童館のような場所で行っていたお楽しみ会ではぶんぶんゴマや科学手品を教えてくれるような人がいて、手品的要素に惹かれていきました。大人になって今度は自分でやりたいと思っていて、米村でんじろう先生に弟子入りしたんです。

(*)1926年福井県生まれ。東京大学工学部卒業後、昭和電工に勤めるかたわら、川崎でセツルメント活動や児童文化活動を続けていました。1973年に絵本作家として活動を本格化し、「からすのパンやさん」「だるまちゃんとてんぐちゃん」や「だむのおじさんたち」「かわ」「たいふう」などの科学絵本を描いています。

弟子入り!高校を出てすぐ弟子入りしたのですか?

な:弟子というよりは、ショーのアシスタントです。大学で教育学部在学中にオーストラリアのアデレード大学に留学したり、スウェーデンの大学にも視察にいきました。教員になった後も、カナダの小学校でインターンシップをしたり、フィリピンやボリビアの学校訪問では折り紙、べっこう飴、わたあめ、箸の使い方などの日本文化を理科に関連付けて子供たちに教えていました。

中川先生のひみつが世界につながっていたとは!知らなかったな~

ここでちょっとブレイク!
お勧めの理科・算数の本、理科読をお聞きします。中川さんはせっかく「理科の探検」で執筆もするライターさん、よかったら最近書いたおすすめの記事を教えてください♪

中川先生からのリカドク・ヒトコト

「理科の探検」で「サイエンスカフェにようこそ」という連載をしています。日本のサイエンスカフェは最初イギリスから入ってきた形式ですが、本場イギリスのサイエンスカフェを経験した方は少ないんです。今、たまたまイギリスに住んでいる日本の方でサイエンスカフェに通う人がいて、そのレポートはかなり反響がありました。面白かったのは、“イギリスはすごい“という反響もありますが、”日本も頑張っているじゃん”という声も多かったんです。というのは、日本のサイエンスカフェは誰でも参加できるように敷居が低く垣根がないからです。イギリスだと、知識層の参加者が多く、場所もパブで、夜に行うことが多いのです。科学館のような場所で気軽に参加できるのは、日本の頑張っているところだろうと思っています。子供が参加できるなら、私も参加できるな、と踏み入れやすいのだと思います。日本でサイエンスカフェをやっている人たちにとって自信につながったと思います。

リカドクもうひとこと!

今回は中川さんが理科読コーナーのためにお勧めの本もご紹介!空気のお話のときの定番、絵本作家まどみちおさんの「くうき」です。去年104歳で亡くなられた詩人の方の作品です。科学教室で物語や詩から科学のテーマに入る最初のつかみとしてよく使っています。

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今日の工房 舞台ウラ

みらいちゃん つづけて、工房の舞台裏をお聞きします。
科学の花をさか咲かせるためには教室でどんな工夫をしてるんでしょうか?先日の「あつい つめたい 化学反応にちょうせん!」の舞台裏を教えてください。

な:とりあえず、前回は酸素つくろうという内容でしたが、教科書では過酸化水素水、二酸化マンガンを水上置換法でやると教えられます。工房では、ジャガイモとオキシドールでカタラーゼの酵素の反応を使ってやってみよう、ということを実験しました。その後、二酸化炭素のつくるためにレモンを使いましたが、今日は発展版をもってきました!

みかんで二酸化炭素を発生させる中川先生の写真

今日の為に進化版をもってきてくれたんですね!どれどれ・・

な:前はレモンとベーキングパウダーをいれて二酸化炭素を発生させていました。中に含まれているクエン酸を使うからです。でもレモンって高いですよね。ここでは、ミカンを使います。学校では水上、下方、それから上方置換法などを試しますが、私たちの方法はビニール袋を使うというのが肝なのです。これは、カナダで科学を教えているときに見て、便利だなあと思って使い始めました。工房ではレモンをもみもみしてもらいました。

みかんで二酸化炭素を発生させる中川先生の写真

あらら、みかんが泡だらけになっちゃいました。

な:身近な食べ物を使う実験は気をつかいますね。でも、それだけ価値があって、インパクトがあれば無駄ではないので適度に、冒険はしたいな、という思いはあります。
こういった手法もリカタンずのメーリングリストを通して全国のメンバーに教えます。日々進化してブラッシュアップできる、更新されていく。同じテーマでやってても、毎回ちがうのは、メーリングリストスで切磋琢磨しているからなんです。

ちなみに中川先生はお子さんが教室のお手伝いをすることもありますよね。お子さんが生まれてから教室でかわったことはありますか?

な:子供が生まれてから児童館などに行くようになり、母親としても刺激を受けました。幼児教室を担当して、科学的絵本の読み聞かせと合わせた工作もしました。学校の先生だけではない、さまざまな分野の方法を知ることができました。また、子供からの助言も聞くことができるようになりました。ダメだしもあります(笑)それは今でもよく聞いています。

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ひみつオススメ理科・科学

みらいちゃん つづけておすすめの理科・科学ネタをお聞きします。サイエンスカフェも、海外で流行ってから日本で流行したものですが、次にこれはくる!というような科学ネタはありますか?

な:サイエンスに限らず、哲学、倫理を扱うカフェに最近参加しました。科学の問題をつきつめていくと、狂牛病のことだったり、脳死判定など、法や倫理的ことにもつながります。こうしてつきつめていくと、科学の分野ではおさまらない科学的なところが含まれてくる。いろんな分野の人と関われば、サイエンスカフェの醍醐味は、ますます深まっていくと思います。

科学は“役に立つ”、“面白い”という側面だけではないんですね。一見すると科学っぽくない分野でも、科学的な話とのつながりが見えてくるなんて、深い!

な:科学は「科」が多いから科学といわれています。もともとは、ギリシャの哲学から始まったといわれているので、日常でも実は関わりのあることなんですよね。

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みらい工房

みらいちゃん 最後に、リカタンずのみらいについてお聞きします。
今後、リカタンずのメンバーや、中川先生の周りのサイエンスコミュニケーターの人たちにはどんなふうに活動をしてほしいと思いますか?

な:科学コミュニケーションのいろんなコースの修了生がいますが、フリーで科学コミュニケーターをやっている人は少ないです。私みたいに、いろんな組織の人をつなげる人もあまりいないと思います。私は200回ほどサイエンスカフェやショーに関わり、科学イベントで人脈もできて、「次はこれがやりたい」、「やらせてください」と立候補してくれる人の声もあって活動があります。こうした声を“つなげる”ということをする人がもっといたらいいなと思っています。

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30分にわたるインタビューはこれにて終了。中川先生には、リカタンずのひみつから最新の実験まで教えてもらうことができました。最後に、ヒミツ・ダイスの1面に工房に参加する子供たちに向けての中川先生からメッセージを書いてもらいました。

「ふしぎ?すごい!へんだな!?たくさんの科学の種をばらまきたい」
by 中川先生

2015年2月10日

インタビューに協力してくれた中川先生、ここまでお読みいただいたみなさんありがとうございました。次回もお楽しみに!

関連リンク

東芝未来科学館 〒212-8585 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地34 スマートコミュニティセンター(ラゾーナ川崎東芝ビル)2F

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